皆さんはなんとなく「こんなゲームがほしいなあ」と思ったとき、ストアでどんな探し方をしますか?自分の好きなゲームのジャンルで探してみる方も多いのではないでしょうか。
RPGやFPSに混ざって「ビジュアルノベル」なんてキーワードも見たことがあるかと思います。しかし、「ビジュアルノベル」って聞いても具体的にどんなゲームかイメージつきませんよね。
ましてや「サウンドノベル」なんて似た用語もあります。ややこしいことこの上ないです。
一方で、この辺の用語を整理しておくとほしいゲームを探すときに役に立つのも事実です。前述したように「こんな感じのゲームが欲しい」となったときに迷わず似たジャンルを探すことができます。
そこで今回は…
- ビジュアルノベルって何?
- ビジュアルノベルとサウンドノベルの違いは?
- どこからビジュアルノベルはやってきたの?
こんな疑問を解決していきたいと思います。
では行ってみましょう。
ビジュアルノベルゲームとは?
ゲームジャンルの一つである、ビジュアルノベルは日本発祥のアドベンチャーゲームの一種です。
簡単に言うとビジュアル(視覚に訴えるもの)ノベル(小説)の意味通り、コンピュータ上で見る小説です。
画面上には、キャラクター、文章、選択肢、音などが映し出され、ミニゲームなどを除いて選択肢を駆使してルート分岐していく部分にしかゲーム性はありません。
一方で、そのシナリオ量は他のゲームジャンルと比べ膨大であり、プレイ時間も何十時間もかかるのが一般的です。
そのため、膨大なシナリオを読み終えてクリアした後は、表現できないほどの感動や心にぽっかり穴が開いたような虚無感を味わうことができます。
また、テキストベースでシナリオが進行していくため、各キャラクターの心理描写や関係性などは懇切丁寧に描写され、本当にその世界にいるような没入感を味わうことができるのも大きな特徴です。
とは言っても、まだ画一化されていないジャンルでもあるため各メーカーの個性が出ていることも珍しくありません。
ビジュアルノベルは他ジャンルのゲームとは異なり、製作費が比較的安価で済むといった特徴もあります。極論ではありますが、良質なシナリオと静止画、スクリプトエンジンさえあれば製作は可能です。
有名な所では「Fate」シリーズや「ひぐらしのなく頃に」は元々アマチュアサークル発祥で、その後多くのメディアに展開していった経緯があります。
また、ビジュアルノベルのシナリオライターで活躍されている方の中にはラノベ作家としても活躍していたり、原画の方がラノベの挿絵を担当していることも珍しくありません。
ビジュアルノベルとギャルゲー、サウンドノベルとの違い
ギャルゲーを探すとき、どんなジャンルで検索しますか?
アドベンチャー?シミュレーション?ビジュアルノベル?
実際、これに関しては明確な答えはありません。
こちらでも解説していますが、ギャルゲーのジャンル分けは難しく各メーカーやストアが決めていることもあります。
ギャルゲーは広義では、gal(カワイイ女の子)が出るゲーム全般を指しますが、一般的には美少女アドベンチャーゲームの一ジャンルとして扱われます。
一方で、ビジュアルノベルもアドベンチャーゲームの一種ですが、女性キャラの必然性や恋愛要素による縛りはありません。そのため、ホラーやサスペンスをテーマにしたビジュアルノベルも存在します。
ビジュアルノベルはギャルゲーに存在するゲームジャンルであるためギャルゲーの多くはビジュアルノベルに含まれます。
では、サウンドノベルはどうでしょうか。
こちらは明確な定義があります。サウンドノベルは「臨場感があふれるサウンドと、様々な映像表現を組み合わせることで『目』と『耳』からストーリーを体感する『アドベンチャーゲーム』」かつ、チュンソフト(現・スパイク・チュンソフト)の登録商標です。
つまり、チュンソフトの許可がないとサウンドノベルは名乗れません。
まとめると以下の通りです。
- ギャルゲーは、美少女と恋愛要素があるアドベンチャーゲーム
- サウンドノベルはチュンソフトが権利を持っているアドベンチャーゲーム
- ビジュアルノベルは、映像、音、文章で訴えるアドベンチャーゲーム
- それぞれを完全に分別することはできないがギャルゲーの多くはビジュアルノベルに含まれる
ビジュアルノベルの歴史
そもそもの始まりは、チュンソフトが制作した「弟切草」や「かまいたちの夜」などの今ではサウンドノベルといったジャンルが誕生したところから始まります。
これらの作品の影響を受け、1990年代後半それまで恋愛シミュレーションゲームだったゲーム達がシナリオ重視の恋愛アドベンチャーゲームに変貌を遂げていきます。
ビジュアルノベルという名前が知られるようになったきっかけは、Leafの「雫」、「痕」、「To Heart」からなる「Leafビジュアルノベルシリーズ」からと言われています。
その後、Keyなど現在でも知られるゲームブランドが泣きゲーといったジャンルを構築していき、ギャルゲーを中心に広く一般にもゲームジャンルとして広まっていきます。
2010年代には「ドキドキ文芸部」など海外製ビジュアルノベルが人気を博し、安価な製作費も相まってインディーゲームとして新作も豊富に配信され、世界的に人気のジャンルの一つとなっています。
まとめ
- ビジュアルノベルは日本発のアドベンチャーゲームの一種!
- 映像、文章、音で制作されているため、製作費は比較的安価!
- ギャルゲーやサウンドノベルは類似語!
- 90年代ごろからゲームジャンルとして知られはじめた!
ゲームジャンルって時代を追うごとに細分化されていっている割に複雑化されているのでわかりづらいことも多いですよね。
単純に言葉の意味だけで拾っても、必ずしも目当てのゲームにたどり着けるわけではありません。各ゲームジャンルがどんなゲームを指しているのかわかっているだけで自分がどんなゲームを求めているのか明確にできます。
ビジュアルノベルは、文章量の多さから元々小説を読むような人たちには受け入れますが、文章そのものを毛嫌いする層には受けません。
そこがそもそものユーザー数に制限されてしまっている課題の一つであり、さらにはプレイ時間の長さから中々クリアまでたどり着けないのも敬遠される理由だと思います。
しかし、これらのジャンルで味わうシナリオは他ジャンルでは味わえないもの数多く存在します。言ってしまえばやらねば損だし、こういったジャンルをプレイできること自体が才能なのです。
ユーザー数が増え、ビジュアルノベルを中心にこれらのジャンルが進化していくことを切に願っている次第です。
ではまたの機会に。